抗精神病薬中毒とは、薬(抗精神病薬)のもつ副作用で心臓の機能が低下し、その結果、血圧が下がったり不整脈が出たりする状態をいいます。これにより生命に危険が生じることがあります。

症状としては、低血圧や不整脈のほかに、意識障害、けいれんなどがおこることがあります。症状が乏しくても後で重症となるケースもあるため、症状がなくても入院して経過を診ていきます。症状がある場合は、そのつど治療していきます。

治療では、低血圧には輸液や、昇圧薬を使用します。不整脈には抗不整脈薬を投薬したり、電気的除細動を使用したりします。

薬剤・除細動を使っても不整脈が続くときは、体外循環を使用することもあります。意識が悪ければ口に管を入れる気管挿管を行い、呼吸が不安定であれば、人工呼吸による管理を行うことがあります。

治療は集中治療室で行います。

治療は、注意深く行いますが、治療に反応せずお亡くなりになる可能性もあります。

入院期間は、中毒症状が消失してから最低24時間です。

中毒の治療が終わったあとは、薬をたくさん飲んだ理由について、精神科の専門家と相談する必要があります。