フグ中毒は、テトロドトキシンを含有しているフグ目(もく)の魚を摂取して生じます。

日本では現在、フグの調理法や流通に関する法律が整備され、フグ中毒は減りました。それでも毎年数人の死亡者が出ています。ほとんどが無免許での調理や素人による魚の不適切な処理が原因です。

摂取後6時間以内に発症することが多く、症状は、口唇、舌およびその周辺、指先のしびれから始まり、次第に全身へと麻痺が広がります。重症になると呼吸不全、呼吸停止、血圧低下、徐脈、不整脈などが起こります。

基本的には対症療法を行います。臨床症状をモニターしながら、全身管理を行うことが重要です。

呼吸不全に対しては気管挿管、人工呼吸管理を行い、低血圧には点滴と昇圧剤を使用します。

フグ中毒の致死率は60%に及ぶといわれ、死因は呼吸筋麻痺による呼吸不全、循環不全です。致死的な場合は、摂取後1時間以内に発症し、4~6時間で死亡することが多いようです。

普段の生活で気をつけてほしいこと
  • 必ず免許をもっている調理人の処理したものを口にしましょう。
  • 自分で釣ったフグや、内臓を処理していないフグを譲り受けて、自宅で調理し摂取することは絶対に避けましょう。