放射線の人体への影響は、身体的影響と遺伝的影響があります。

身体的影響は被ばくした本人に現れる障害で、早期の場合は急性の皮膚障害や造血臓器の障害などを引き起こします。早期影響には「しきい値」があり、この値以下では被ばくの影響がありません。

身体的影響のもう一つ、晩発影響にはがんが挙げられます。これはしきい値はないとされます。ただし現在、50mSV以下では影響の増加は認められていません。

本人ではなく子どもや孫に現れる放射線の影響を遺伝的影響といいます。これはしきい値はなく、今のところ、影響の増加は認められていません。

衣服の上から汚染されたときは、服を脱げば90%は除去可能です。皮膚に付着しても水やオレンジオイルなどの洗剤で洗い流せば除染できます。多少汚染が残っていても、健康な皮膚なら自浄作用で自然に放射性物質は除かれます。

外傷があるときの汚染は、水や生理的食塩水で丁寧に洗えば除染はできます。多少汚染が残っていても、傷口から出る浸出液や痂疲(かひ:かさぶた)により放射線物質は除かれます。

汚染された外傷が深いときは被ばく医療の専門家に助言を求めましょう。

軽度の被ばくの場合は普段通りに生活しましょう。ただし、体調の悪化、吐き気・嘔吐、頭痛、下痢などがあるとき、精神的ストレス(悩み・動揺)が生じたときは受診しましょう。

長期的な健康問題に関して疑問が生じたときは受診するか、最寄りの保健所にたずねましょう。

普段の生活で気をつけてほしいこと
  • 普段通りの日常生活を送りましょう。