鼻腔・耳殻異物とは、鼻や耳に異物が詰まることです。異物にはビーズ、ゴム、パチンコ玉、小さな玩具部品などから、豆、ポップコーンなどの食物、紙や綿棒などの日用品、アリ・ガ・ハエ・ゴキブリなどの昆虫類までさまざまです。

治療は、すぐに除去することが基本です。特にボタン電池、マグネットは緊急に除去しなければなりません。その他の異物も放置しておくと感染などの原因になるのでなるべく早く除きます。

通常は外来で異物が除去されたあとは、入院や通院が必要になることはありません。ただし、以下のような症状が見られたときは、再診あるいは耳鼻科外来での診察が必要になります。

  • 耳鼻からの出血持続、痛みや腫脹増悪時
  • 耳の聞こえが悪くなっているとき
  • 痛みや耳鼻からの浸出液が持続しているとき(感染あるいは異物が完全に除去できていない可能性があります)

異物の除去にはさまざまな器具を使用します。治療中に動くと鼻や耳を傷つけ、時には鼓膜が破れることもあります。患者さんの協力が必要です。

治療後、耳や鼻からの出血が止まらない、痛みや腫れが強くなる、耳の聞こえが悪くなるなどの症状がみられたら、すぐに受診しましょう。

普段の生活で気をつけてほしいこと
  • 小さな子どもがいる家庭では、子どもの手の届くところにボタン電池など飲み込みやすいものを置かないようにしましょう。
  • おもちゃなどは、部品が壊れていないか、取れやすくないか、よく点検しておきましょう。
  • 子どもに、耳や鼻に異物を詰めないように教えておきましょう。