気管異物は、ボタン、電池、時にはスプーンなどの異物を誤って飲み込んでしまうことです。それが気管に入ったのか消化管に入ったのかで治療は異なります。
飲み込んだものの場所を確定するためにレントゲン検査を行います。ただし4割はレントゲンに映りません。その場合はCT検査を追加します。
気管に入っている場合は気管支鏡で取り出します。
消化管に入った場合は、異物の性状や形状、大きさなどで治療法は異なります。80~90%は合併症もなく、自然に通過して便とともに排出します。10~20%は内視鏡を使って摘出します。手術になるのは1%未満です。
とくに、鋭利なものやボタン電池は早急な対応が必要です。ボタン電池では2~2.5時間で重篤な粘膜障害を起こすことがあり、緊急内視鏡の適応になります。
経過観察中に胸痛、腹痛、嘔吐の持続、吐血、嚥下(えんげ)困難、呼吸困難など、普段見られない症状が出たときはすぐに受診しましょう。
ボタン電池以外でも長期に体内に放置すると孔が開く穿孔(せんこう)、気管食道瘻(ろう)、大動脈食道瘻、縦隔(じゅうかく)炎などの命にかかわる合併症を生じることがあります。
気管支鏡や内視鏡の手技後、気管攣縮、低酸素血症、一過性不整脈、除脈などの合併症を生じることがあります。