偽けいれん・偽意識障害は、心因性非てんかん発作のことを指します。偽という言葉がついていますが、病気のふりをしているとか、偽の病気ということではありません。精神的な病気です。

この病気は、てんかんではありませんが、けいれんや意識障害がてんかん発作とよく似ていることから名づけられました。

原因は感情的、心理的ストレスです。人によっては、けいれんではなく、意識がなくなったり、手足が麻痺したり、感覚の障害が出現したりすることがあります。

けいれん発作の背後には、うつ病などの気分障害やPTSD(心的外傷後ストレス障害)などの精神的な病気が隠れていることがあります。

診断がつきにくく、最初は脳の病気と考えられ、脳波の検査やCT、MRIなどの検査を行い、この病名に至るまで何年もかかることがあります。

受診するときは、自宅でのけいれんの様子を、起こった時間、発作の持続時間、左右の手の動き、眼の動き、腰の動き、声の様子などについてメモし、できたら家族がビデオを撮って持参すると診断の助けになります。

心理療法などの精神科的治療を行います。背景にあるうつ病などの病気を治療する必要もあり、どうしても治療には時間がかかります。通院をやめると症状は改善しないので、自己判断で通院をやめないようにしましょう。