脳震とうは、頭部に衝撃を受けたときの直後の意識消失や物忘れをいいます。これは多くの場合一過性のもので、速やかに消失します。こうした症状が長期にわたって続く場合は、脳震とう症候群と診断されます。

合併症として、記憶障害、注意力低下、情緒障害などが残ることがあります。

脳震とうの症状が完全になくならないうちに再び脳震とうが起こるようなときは、脳がむくんだりして、命にかかわるようなことも出てきます。

頭部の外傷がひどいと思われる場合は、頭部CTや頭部MRIなどの画像検査が行われることがあります。

一過性の場合は、特に治療は必要はありません。24時間くらいは、安静にして睡眠をしっかりとり、激しい動きを避けて生活しましょう。脳を休め、集中力や注意力が必要な作業や仕事は中止します。2日くらいは飲酒も禁止です。

本人が寝ている場合は、家族が数時間おきごとに声をかけ、大きな変化がないことを確かめておきましょう。

次のようなときは再受診してください。
・3回以上嘔吐する ・記憶の混乱、会話の障害、激しい頭痛、めまい、歩行や姿勢の崩れ、怒りっぽくなる、不機嫌、奇を衒(てら)う行動などの症状がみられる ・目の見え方に変化が起こった ・うまく排泄できない ・目を覚まさない

スポーツを再開する場合は、ふたたび脳震とうを起こしやすいので、再開のタイミングについては、医師によく相談しましょう。