歩行障害・転倒は骨折や外傷の原因になり、寝たきりにつながります。

歩行障害の一つ、すくみ足では、方向を転換するときや狭い場所を通り抜けるとき、障害物に近づくとき、あるいは実際に歩かなくても、そう考えただけで足が前に出ず、バランスを崩します。

歩行障害や転倒の原因には、パーキンソン病などの脳や脊髄の疾患による神経系疾患と、膝や足の関節の変形などによる運動器疾患があります。

神経系疾患は、脳や脊髄のCTやMRI、脳血流シンチや心筋シンチ、神経伝達検査などで障害部位が診断できます。

運動器疾患は、視診やX線検査などで診断します。

治療法には、薬物療法、リハビリテーション、補装具の調整などがあります。

パーキンソン病の治療には、症状にかかわる神経細胞を壊して働かないようにしたり、活動するように刺激するための電極を埋め込んだりする定位脳手術や、深部脳刺激があります。筋肉が緊張する痙縮には、バクロフェンという薬を脊髄の周囲に直接投与して症状をやわらげるITB療法やボツリヌス菌が作り出す神経毒素を用いるボツリヌス毒素療法があります。

すくみ足は、視覚や聴覚の刺激で回避することができます。

転倒によるケガをふせぐために、生活場面での改善が必要です。

普段の生活で気をつけてほしいこと
  • 転倒しそうで怖いと思ったら、浴室やトイレ、廊下、玄関などに手すりをつけましょう。
  • 身の回りの障害物を排除し、床の段差をなくしましょう。
  • 杖や歩行器などの補装具を上手に活用しましょう。