しびれ・感覚麻痺を訴える患者さんは人口10万人に2,000人、高齢になるにつれ増え、8,000人にまで増加します。

しびれの原因として多いのは、頚椎症や脊髄の圧迫など脊髄病変、手根管症候群(正中神経)、肘部管症候群(尺骨神経)などの末梢神経障害です。

頚椎症は上肢のしびれ、手指の感覚異常のほか、めまいや歩行障害がみられます。手根管症候群は起床時に手指のしびれが増強して痛みます。手指を動かすとしびれは和らぎます。肘部管症候群は手指に力が入らず、小指と薬指のしびれや、まっすぐに伸びない鷲手(じゅしゅ)変形が特徴です。

しびれは糖尿病や腎機能障害、アルコール依存症などに合併することもあります。

しびれ・感覚麻痺の治療は、装具を使ってしびれ部位を安静に保ち、ステロイド薬の注射、消炎鎮痛薬やビタミン剤の内服など保存療法が主です。症状によっては手術することもあります。また、基礎疾患が合併しているときは、基礎疾患の治療も同時に行います。

しびれなどの運動麻痺のほか、物がダブって見える、ろれつが回らない、歩きにくいなどの脳神経症状を伴うとき、また、それらの症状が増悪してくるときは、すぐに受診しましょう。

普段の生活で気をつけてほしいこと
  • 背筋を伸ばして正しい姿勢を保ちます。就寝時も枕を調整し、無理のない前屈位の姿勢をとりましょう。