顔面の神経痛は、顔の感覚(温・冷・痛・圧)を脳に伝える神経によって生じる瞬時の鋭い痛みです。最も多いのは、三叉神経と呼ばれる神経です。

原因は、加齢により蛇行した血管の圧迫や腫瘍などによる圧迫が考えられますが、原因がはっきりしない場合も多くみられます。

顔の痛みは、軽く触れる、話す、笑う、物を飲み込むなど、何気ない動作で生じることがあります。

診断には、症状と身体診察が重要です。とくに三叉神経の通り道である頭顎部の神経の診察を重点的に行います。原因となる病気がないか、MRIなどでチェックすることもあります。

治療は薬物療法が基本です。抗けいれん薬を用います。少量から開始し、症状や副作用を見ながら増量・変更をしていきます。

内服により、ふらつき、眠気、便秘などの副作用が20~50%の患者さんにみられます。また、睡眠導入剤や安定剤など他の薬と併用すると、副作用が強く現れることがあります。症状が強いとき、他の薬を飲み始めるときには医師や薬剤師に相談してください。

強い副作用が生じ薬物を使用できない、薬物では改善しないという場合には手術をすることもあります。

いったん痛みが和らいでも、時間の経過や加齢とともに再発することがあります。早めに医師に相談しましょう。

普段の生活で気をつけてほしいこと
  • 高齢・虚弱な患者さんは転倒などに注意しましょう。
  • 食事や内服は痛みのない時間帯にすませるようにしましょう。