チック障害とは、体の一部の異常運動で、素早い動きや同じ動作を繰り返す障害です。

チックには、頭を振るなどの運動チック、咳払いするなどの音声チックがあり、また、単純チックと多種類のチックが絡む複雑チックとがあります。

さらに、一過性チックと慢性チックとがあり、慢性チックとは、良くなったり悪くなったりを繰り返しながら1年以上を経過する場合をいいます。

一般に男子に多く、多くは5~6歳で発症します。

原因は、かつてストレスや外因によるとされましたが、その後の研究では、本人の素因のほか、発達過程での、特にドパミン神経受容体の代償的過感受性(過剰に情報伝達の活性化が起きる)の関与が示されています。

治療としては、生活指導により、睡眠・覚醒リズムを整えることが大事です。

日中の活動を活発にし、ロコモーション(運動量)を促します。

その上で薬剤治療を行います。

落ち着きがない、キレやすい、多動などの注意欠陥・多動性障害、特定のこだわりがあり、何度も同じ考えや行動を繰り返す強迫性障害などの併発症も同時に治療します。

多くの場合、予後はよく、一過性で終わることもあります。慢性チックでも多くは10歳代の半ばまでには軽減し、10歳代後半には消失します。