失神は、意識を一時的に失う状態をいいます。

すべての失神が心肺停止など重篤な状態を意味するわけではありません。慌てすぎないことが大事です。

全人口の約3分の1の人は生涯で一度は経験するといわれるほど、失神はよく見受けられる症状です。

原因は、副交感神経が高まってしまうことによるもの、立ち上がったときの立ちくらみ(一般にいう貧血)といった軽症のものから、心臓など循環器系のトラブルによるもののように命にかかわる病気までさまざまです。

命にかかわるものは比較的少ないといわれます。高齢者の場合、4分の3は深刻でない原因の失神です。

失神の原因が重篤な病気の場合があります。失神が起こったら、できるだけ早く医療機関を受診し、原因を調べてもらいましょう。

失神は突然に起こります。万一、起こっても安全でいられるように心掛けて生活してください。
例:危険な電車のホームの端を歩かない、階段ではなくエレベーターを使う、車は慎重に運転するなど。

普段の生活で気をつけてほしいこと
  • 家族など周りの人に、失神の経験があることを伝えておくとよいでしょう。
  • 失神を引き起こしそうな原因からなるべく遠ざかるようにしてください。
  • 以前起こした失神の原因(糖尿病の低血糖、注射、排便の強いいきみなど)をなるべく避けてください。やむを得ない場合は、周りの人に失神を起こす可能性があることを伝えておくとよいでしょう。