急性咳嗽(きゅうせいがいそう)の咳嗽とは咳(せき)のことです。咳が続く期間によって、原因をある程度予測できます。

最も多いのがいわゆるかぜといわれる急性上気道炎です。かぜの罹患後に咳のみが残ってしまうのは、多くの場合はウイルスが原因です。したがってこの場合、抗生物質は効果がありません。

咳の中には肺炎、心不全、悪性腫瘍、気胸などの病気の初期症状のことがあります。問診事項や診察の結果によっては、採血、尿検査、胸部レントゲン、喀痰検査、呼吸機能検査が行われます。その他採血検査、CT検査、気管支鏡検査が追加されることもあります。

治療法は原因によって異なります。咳や痰の対症療法としては中枢性鎮咳薬や去痰薬の服用があります。しかし、咳は生体防除反応の一つです。薬物の過剰な使用は治癒を遅らせ、症状を悪化させる原因になるので注意しましょう。

咳嗽だけで入院が必要になることはありませんが、重篤な肺炎や結核、心不全、肺塞栓症、肺がん、間質性肺炎、気胸が疑われるときは、検査や加療のために入院が必要になることがあります。

安静、摂取する食事・飲水量については病気によって異なるので医師の指示に従いましょう。

高熱や息苦しさ、血痰、食欲低下がみられたり、心臓に持病がある場合や3週間以上熱が続く場合は受診しましょう。咳が長引く原因があるかもしれません。