消化不良は、胃や食道の疾患が原因で起こります。胃内視鏡で検査をしても、多くの場合(60%以上)は、これといって異常のない機能性の消化不良(機能性ディスペプシア)です。

次いで多い疾患には、胃・十二指腸潰瘍(15%)、胃食道逆流症(15%)が挙げられます。まれにみられる胃がんや食道がんが原因の消化不良は2%以下です。

機能性消化不良の場合は、症状を改善するプロトンポンプ阻害薬を服用し、食生活を改善することが治療の一歩です。

胃・十二指腸潰瘍の場合はピロリ菌や痛み止めの薬、ストレスが原因になります。ピロリ菌が原因なら除去療法を行い、ピロリ菌が検出されなければ胃酸の分泌を弱めるプロトンポンプ阻害薬を用います。

胃の内容物が食道に逆流する胃食道逆流症もプロトンポンプ阻害薬を服用します。

55歳以降、胃がん・食道がんの家族歴あるいは既往歴、胃・十二指腸潰瘍の既往、体重減少、吐血、黒色便、進行性の嚥下障害、嚥下痛などがある場合は、胃カメラ検査をまず行います。その結果に応じて治療が行われます。

上記に該当しない若年の患者さんの場合は、まずプロトンポンプ阻害薬を1カ月程度内服して経過を観察します。

プロトンポンプ阻害薬を服用しても改善しない場合や、吐血、黒色便、体重減少などがある場合は、早い時期に胃内視鏡検査を行いましょう。

胃・十二指腸潰瘍からの出血が多く、吐血、大量の黒色便、血圧低下などの症状がある場合は、緊急に入院して胃内視鏡検査を行います。

普段の生活で気をつけてほしいこと
  • コーヒーやアルコールの摂取、喫煙を控えましょう。