下血とは、血液成分が混ざった黒色の便が排泄される状態をいいます。

血便とは、血液成分が混ざった赤色の便が排泄される状態をいいます。

下血なら主に食道や胃・十二指腸からの出血が考えられ、血便の場合は主に大腸からの出血と予測されます。

出血の原因には、潰瘍や腫瘍などさまざまな病気が考えられます。

出血の原因となる病気を見つけるために、腹部造影CT検査で出血部位を特定し、場所が特定できないときは内視鏡検査や血管造影検査などが行われます。内視鏡検査や血管造影検査で止血できるなら、同時にその治療も行います。これらの検査で出血部位や原因がわからないときは、カプセル内視鏡検査*や小腸X線検査などが行われます。

*カプセル内視鏡検査:カプセル型をした内視鏡を口から飲み込むと、内視鏡は消化管の蠕動運動により消化管を移動していきます。その間に内蔵したカメラが撮影をし、その画像を体外に送信するというもの。

検査や治療によって下血・血便がひどくなりショック状態に陥ることもあるので、入院して検査・治療を行います。さらに、胃や腸の安静を図るために絶飲・絶食し、カロリーを点滴で補います。

原因に応じて抗腫瘍薬による薬物治療、内視鏡治療、血管造影などの治療を行います。

下血・血便がひどくて止まらない場合には緊急手術を行います。