急性疾患の場合でも慢性疾患の場合でも、栄養不良の患者さんは、栄養が良好な患者さんに比べて回復が遅れ、合併症や感染症が増えます。そのため栄養管理が重要になります。

経静脈栄養(点滴)に比べて経管栄養は、簡便・安全・低コストである、粘膜バリア機能の維持によいなどの利点があります。

使用中、栄養剤の種類や投与方法、抗菌薬などの薬剤が合わなかったりして、下痢が起きることがあります。しかし、なぜ下痢が起きるのか正確な機序はわかっていません。

下痢が生じても、すぐに経管栄養を中止する必要はありません。しかし、持続する場合は、原因の検索や治療は必要です。

原因がわかればその疾患や状態に対して適切な処理を行います。例えば抗菌薬投与後の下痢は正常腸内細菌叢の変化によってクロストリジウム・ディフィシル菌が増加して発症するので、抗菌薬で治療します。

原因がわからない場合は症状に応じた治療を行います。

いずれの場合も、下痢により脱水症を合併している場合は、点滴のために入院が必要となることもあります。

普段の生活で気をつけてほしいこと
  • 経管栄養剤は開封後放置してはいけません。
  • 投与速度に注意して、投与時の温度を冷やしすぎないように気をつけましょう。