石灰化とは、軟部組織にカルシウムが沈着する、あるいは沈着した状態をいいます。膵臓の石灰化は、膵臓に繰り返し炎症が起き、その炎症を起こした組織にカルシウムが沈着し、膵管が拡張したり、膵臓が萎縮したり、膵臓の表面に凸凹ができたりする状態です。

膵臓の石灰化の原因には、慢性膵炎、膵腫瘍、加齢性変化などが考えられます。

検査としては、腹部CT(単純+造影)を行い、慢性膵炎の場合は膵腫瘍か否かを鑑別します。さらに、MRI/MRCP(磁気共鳴膵胆管造影)、超音波内視鏡(EUS)、内視鏡的逆行性胆管膵管造影検査(ERCP)、また、超音波内視鏡を用いて組織の一部に針を刺して組織を吸引して調べる超音波内視鏡下穿刺細胞診などを行うこともあります。

慢性膵炎は進行性の病気です。進行すると膵機能不全となり、消化不良による栄養障害が糖尿病を発症します。

慢性膵炎は、今のところ根治的な治療法はありません。強い腹痛が起きたときは薬を用いたり、内視鏡治療や体外衝撃波結石破粉法、手術による治療を行うことがあります。

体慢性膵炎は、断酒や禁煙により進行を遅らせることは可能です。

慢性膵炎は、膵がん発症のリスクが高い病気です。症状がなくても、半年に1回程度、検査を受けましょう。

普段の生活で気をつけてほしいこと
  • 慢性膵炎で腹痛がある場合は、脂肪分の多い食事は避けましょう。