脾腫(ひしゅ)とは、古くなった血液を壊したり、細菌やウイルスの抗体を産生したり、血液中の細菌を除去する働きのある脾臓が腫れる症状のことをいいます。

脾臓は、血液が壊れやすくなったり、細菌が血液中に入ったりすると機能が亢進して大きくなることがあります。肝臓病や心不全により流れ込む血液の量が増えて脾臓が腫大することもあります。その他、血液疾患、腫瘍の浸潤、代謝疾患による異常脂質や、タンパクの沈着によっても腫大は起こります。

原因を調べるために、血液検査、CT、腹部エコーなどを行います。腫瘍が疑われる場合は、リンパ節や脾臓の一部を切り取って顕微鏡などで調べる生検を行います。必要に応じて、骨髄に針を刺して血液を採取する骨髄穿刺を行うこともあります。

治療は、脾腫の原因となる病気や病態によって異なります。

発熱が続いたり、悪寒戦慄(おかんせんりつ:突然ガタガタと震えて寒気がすること)、体重減少、左上腹部の痛み、動悸や息切れなどの症状があるときは、すぐに受診しましょう。

できるだけ安静にしてください。激しい運動や登山といった腹部を打つ危険がある行動は控えましょう。

普段の生活で気をつけてほしいこと
  • 体温は毎日測定しましょう。
  • 体重は週に1度測定しましょう。
  • 格闘技など激しい運動は避けましょう。