蛋白尿は、尿中に血液中のたんぱく質が漏れ出ていることを示しています。ただし、正常でも多少の蛋白は出ています。
蛋白尿は年齢とともに陽性が増え、男性の場合20歳では2%、60歳では5%が陽性です。女性の場合は60歳代で2%、70歳代で3%です。
蛋白尿は検尿試験紙で調べます。陽性の場合はさらに尿蛋白の量を調べます。また、尿蛋白の原因を調べるために、腎臓の一部を針でとって調べる腎生検を行うこともあります。
尿蛋白が大量に漏れ出るのは腎臓が障害を受けているからです。1日に3.5g以上の尿蛋白が出ると血液中のたんぱく質の1種のアルブミンの濃度が低下します。その結果、全身に浮腫(むくみ)が起こります。糖尿病の場合は、1日30mgのわずかな尿蛋白でも、全身に動脈硬化が起こっている場合があります。
治療は原因によって異なります。大量に尿蛋白が出る場合は入院が必要です。
高血圧を合併する場合は血圧を下げるACE阻害薬やアンジオテンシン受容体拮抗薬を使用します。
浮腫がある場合は利尿剤を用いることもあります。
尿蛋白の原因が、免疫グロブリンが沈着するIgA 腎症で、1日1g以上の尿蛋白が出る場合は、ステロイドによる治療が有効です。
蛋白尿が1日3.5g以上の場合はネフローゼ症候群といい、ステロイドや免疫抑制薬の治療を行います。