多尿とは、1日あたりの尿の総量が正常な場合より極端に多くなることで、尿の回数が多い頻尿とは異なります。

原因としては、糖尿病、利尿薬やリチウムなどの薬剤の服用、中枢性尿崩症などのホルモン異常、水分の大量摂取、輸液などが考えられます。

尿量が多いと、体内の水分が不足し、血圧が低下したり腎不全を起こしたりすることがあります。

尿に含まれるナトリウムやカリウムが多いと、低ナトリウム血症や低カリウム血症などが起こり、意識障害や不整脈の原因になることがあります。

検査では24時間蓄尿を行い、尿量を測定します。ついで、尿量が増える原因となる薬剤の有無を確認し、尿中の物質を測定して原因を調べます。原因によっては、水制限試験やホルモンの負荷試験を行うことがあります。

尿量が多いと脱水が起きやすいので、体重を測定しましょう。

糖尿病が原因の場合、口が渇くときは血糖値が高いことがあるので、主治医に相談しましょう。

中枢性尿崩症の場合、尿量が減っているときや、薬剤のデスモプレシンの使用時には水中毒(みずちゅうどく:過剰の水分摂取により低ナトリウム血症を起こす中毒症状)にならないように、意識的に飲水の量を減らしましょう。