排尿困難とは、排尿の勢いが弱い、尿が途中で止まる、尿の切れが悪い、排尿後もすっきりしない症状をいいます。

頻尿や夜間頻尿、急に強い尿意が生じて我慢できなくなるなどの症状を併せもつことがあります。

原因は、男性では前立腺肥大症や前立腺がん、女性では骨盤内の膀胱や子宮の位置の低下による骨盤臓器脱が多くみられます。

膀胱内に残尿があると尿中に細菌が増え尿路感染を起こすことがあります。また、残尿が多い状態が続くと腎臓で産生される尿がなかなか排出されないために腎機能が低下することがあります。

排尿困難が重くなると尿閉になることがあります。排尿が全くできないか、残量が多く膀胱が大きく膨らみます。

検査は、尿検査、血液検査のほか直腸診、膀胱内視鏡、腹部エコー、尿流量測定・残尿測定などを行います。

原因に合わせた治療を行います。

腎盂腎炎や前立腺炎などの尿路感染症が確認された場合は抗菌薬を投与し、膀胱内の残尿を排出する処置を行います。

尿閉の場合は、尿道からカテーテルを入れて尿を体外に出します。原因を治療するためには泌尿器科を受診します。

腎機能が低下している場合は、膀胱にカテーテルを留置して尿の流れをスムーズにします。ただし、その結果、一気に腎臓で尿が産生されるようになり腎機能は改善しますが、脱水症状が起きることがあり、電解質の補給が必要となります。

普段の生活で気をつけてほしいこと
  • 尿の出を悪化させる成分を含んだ薬を内服しないように、薬を飲むときは医師に確かめましょう。
  • アルコールの多飲は避けましょう。
  • 排尿を我慢するのは止めましょう。