女性化乳房とは、男性の乳房が大きくなって不快感を覚えたり、乳頭(乳首)に痛みを感じたりする症状の総称です。

思春期には、正常なホルモンバランスの変化によって乳房の肥大や痛みなどの症状が起きることがありますが、治療の必要はありません。6カ月~2年ぐらいで自然に治ります。

成人男性の場合は、内服薬が原因になっている可能性もあり、薬を服用しているときは医師に相談しましょう。

ある種のハーブ(ラベンダー、ティートゥリーなど)が原因となることがあるといわれます。特に乳幼児には注意が必要です。

乳房の肥大や痛み以外に症状がないときは特に検査や治療は必要としません。経過をみるだけで十分ですが、念のために3~6カ月後に再受診しましょう。

疑わしい内服薬がある場合は主治医の判断により薬を変更、もしくは中止します。

HIV感染症や前立腺がんの治療中の場合、また精巣腫瘍、甲状腺機能亢進症、肝硬変、腎不全、男性乳がんなど、まれな原因が疑われるときは、血液検査や、さらなる検査が必要です。

治療は、原因となる疾患の治療を優先します。治療後も症状が改善されず苦痛が激しいときは、薬を内服したり、乳房の形成手術をしたりすることがあります。

痛みや不快感がひどくなったり、動悸・勃起不全・乳頭からの分泌物などの他の症状が現れた場合は、すぐに再受診してください。