不眠症は、かかりつけ医を受診する患者さんの32.6%を占める、身近な病気です。

不眠症とは、十分な睡眠環境が整っているにもかかわらず、寝つけない、夜中に何度も目が覚める、朝早く目が覚める、熟睡感がないなどのために、日中に問題が生じる場合をいいます。

内科や精神科の病気、薬剤、カフェイン入りの飲料、時差ぼけ、交代勤務などが原因になることがあります。

主な症状は、日中の倦怠感・眠気、注意力・集中力・記憶力の低下、社会的機能の低下(成績の低下、仕事中・運転中のミスや事故の危険など)、気分の障害あるいは焦燥感、活気の低下、仕事中・運転中の居眠り、睡眠不足に伴う緊張・頭痛・消化器症状、睡眠に関する心配など。

不眠症は、睡眠時間では決まりません。十分な睡眠時間は人によって異なります。通常、年齢とともに必要な睡眠時間は減少します。

まずは生活環境を改善しましょう。

眠れないからといって飲酒をするのは控えてください。

処方された睡眠薬を自己判断で増やして飲んだり、他人から薬剤をもらって服用したりしないでください。

睡眠薬とアルコールの併用は絶対にやめてください。

次の場合は、必ず医師に相談してください。

  • 市販の睡眠改善薬を服用している。
  • 日中の眠気が強く、大事な会議での居眠りや居眠り運転の経験がある。
  • いびきがひどい、眠っている間に呼吸が止まっていると言われたことがある。
  • 疲れ果てて死にたいと思うことがある。

普段の生活で気をつけてほしいこと
  • 眠くなってから寝室に行きましょう。
  • 毎朝同じ時刻に起床し、太陽光を浴びましょう。
  • 規則正しい食事と適度な運動を行いましょう。
  • 夕方以降の仮眠(仮眠をとるなら15時前に20~30分間)。
  • 就眠6時間以内のカフェインやニコンチンの摂取。
  • 就眠前の飲酒や過度の食事。
  • 就眠直前の運動。
  • 睡眠中の騒音、明かり、高い室温。
  • 寝室での読書やテレビ観賞など。
  • 就床時刻や睡眠時間への過剰なこだわり。