飛蚊症とは、カメラでいうとフィルムの役割をする網膜の前にある硝子体に濁りが生じ、眼の前に黒点やちり、髪の毛のようなものが見える病気です。目の前に蚊が飛んでいるように見えることから飛蚊症と呼ばれています。

飛蚊症の多くは、加齢によるもので、特に治療の必要はありません。しかし、中には網膜裂孔や網膜剥離、眼底出血などで生じることがあり、この場合は治療が必要です。

硝子体が濁る原因としては、硝子体の液化、後部硝子体剥離によるもの、硝子体の炎症などがあります。後部硝子体剥離は、加齢とともに硝子体の水分が抜けて容積が減り、硝子体が眼底から浮き上がってしまった状態をいいます。

後部硝子体剥離に伴う飛蚊症の多くは、治療の必要はありません。ただし、あとで網膜剥離を起こすことがあるので、経過観察が必要です。

急性後部硝子体剥離に伴う飛蚊症では、あとで網膜裂孔を生じることがあるので、1週間後くらいに再受診してください。

視野の一部が欠ける視野欠損が生じた場合は、すぐに再受診してください。