偽性うっ血乳頭とは、網膜と視神経を結ぶ視神経乳頭が生まれながらに小さいため、盛り上がって見える状態をいいます。成人の場合は視神経乳頭に結石ができて盛り上がり、周辺視野に影響を与えることがあります。

うっ血乳頭は、頭蓋骨内の圧力が上昇して、視神経乳頭が腫れ上がる病気です。原因として脳腫瘍や、脳圧が上がる異常体質、薬の副作用などが挙げられます。

圧迫性視神経症は、視神経の周りの組織が腫れあがったり、腫瘍によって圧迫されたりして視神経乳頭が腫れあがり、視力が低下する病気です。

診断は、脳内や視神経のまわりに原因となる異常がみられないかどうか、頭部や視神経をMRIで検査して確定します。

偽性うっ血乳頭の場合は、小児では視神経が未発達なので、原因を調べると同時に、成長ホルモンの補充が必要かどうかを知るため、成長曲線を記録していきます。成長ホルモンの低下傾向が見られる場合は、小児科を受診してください。成人で、結石が原因のときは定期的な検査を受け、視神経乳頭の循環障害のリスクを低下させるために血圧や糖尿病の予防をします。

うっ血乳頭の場合は、脳腫瘍なら外科治療を行い、脳腫瘍でないなら神経内科のもとで治療をします。進行しても自覚症状がないこともあるので、定期的に視野検査を行います。

甲状腺の病気による圧迫性視神経症の場合は、副腎皮質ステロイド薬の静注(静脈注射)療法を行います。視神経鞘髄膜腫で視力障害が進行するようなら放射線治療を行うこともあります。