味覚の低下は高齢者に多くみられます。しかし、単純に加齢によるものではありません。
原因は多様ですが、直接的、間接的な原因として亜鉛欠乏が関与していることが多くみられます。また、他の疾患に対する服用薬剤、内科的な全身疾患があり、明らかな原因がない場合もあります。
検査は、原因を見つけるために、貧血、肝障害、腎障害、糖尿病、亜鉛欠乏、鉄欠乏などについて行われます。
血清亜鉛値が70μg/dl未満の場合は、亜鉛欠乏が直接の原因と考えられます。
治療は亜鉛を含有した抗潰瘍薬のポラプレジンクの内服が主体です。その効果は約70%で、効果が表れるまでに3カ月以上かかります。
内服期間が6カ月を超えても改善しない場合は、治療を継続する意義は少ないといえるでしょう。
味覚低下が改善・治癒した場合には再発は少ないです。