正常体温よりも軽度に上昇した場合を微熱と呼び、一般的に37.0~37.9℃以下の微熱とすることが多いです。ただし、正常体温には個人差があり、変動もするので、正常体温、微熱、発熱の区分はあいまいです。

微熱は多くの場合、ウイルスに感染したことが原因と考えられますが、たいていは3週間以内にウイルスの働きも弱まり、大事に至りません。

熱があるからといって安易に抗菌剤や解熱剤を内服すると、かえって原因がわからなくなることがあります。

微熱が継続して3週間以上も続くときや、微熱から38℃以上の高熱に変わってきたとき、微熱以外に症状が出てきたときは、何らかの疾患があると考えられるので受診しましょう。

微熱の診断には、毎日の熱の変動を確認することが大いに参考になります。1日2回、朝と夕方のほぼ決まった時間帯に体温を測定し、熱型表を作成するとよいでしょう。上昇傾向、下降傾向、1日の変動などを確かめることができます。

治療としては、苦痛がある場合はアセトアミノフェンなどの解熱剤を服用します。非ステロイド系抗炎症薬や抗菌剤は安易に使用しないようにしましょう。

家族に結核やウイルス性肝炎の患者さんがいる場合は担当医に話しておきましょう。また、ペットの飼育歴や、かまれたり引っかかれたりしたことがあれば、そのことも話しておきましょう。

微熱から高熱に変わり、身体に痛みや違和感、咳や下痢、皮疹(皮膚の湿疹)など、他の症状が出るようなら、再度受診しましょう。