低体温とは、中心体温が35℃未満をいいます。中心体温とは、身体の中心部の温度で、腋の下ではなく、直腸温または膀胱温を測定したものです。腋の下の体温は、中心体温より0.5~1℃くらい低くなります。

低体温は、32~35℃を軽症、28~32℃の中等症、28℃未満の重症に分類されます。中等症や重症の低体温では、死亡率が高く、入院が必要です。

低体温の原因としては、薬物、低血糖、敗血症、低栄養などがあげられます。中でも緊急な対応が必要なのが、薬物中毒、低血糖、重度の甲状腺機能低下症、重症頭部外傷、脊髄損傷、敗血症による低体温です。

低体温に付随するのが、脈が遅くなる徐脈、心室性不整脈、ショック、意識障害などの症状で、これらの症状が現れている場合には緊急に対処しなければなりません。

軽症の場合は、濡れた衣類を脱がせ、暖かい毛布で体を覆って保温します。

中等症、重症の場合は入院して、電気毛布やハロゲンヒーター、ストーブにより加温し、加湿、酸素吸入が必要です。

軽装で寒冷な環境で過ごした場合、身体は冷え切り、熱を失っている可能性があります。速やかに防風耐水加工を施した、乾いた衣類に着替えましょう。

普段の生活で気をつけてほしいこと
  • 高齢者のいる室内は室温を21℃以上にしましょう。
  • アルコールは体の表面の血管を拡張させ、かえって熱を奪う原因になるので控えましょう。