血液中のカリウム濃度は、通常4〜5mEq/L程度に保たれています。このカリウムの濃度が5.5mEq/L以上になると高カリウム血症と診断されます。
体内でカリウムは細胞の中に多く存在します。カリウムが細胞から移動したり、腎臓からの体外への排泄がうまくいかなかったりすると、血液中のカリウム濃度が高くなり、高カリウム血症が生じます。
軽度の場合は、あまり自覚症状はありませんが、唇のしびれを感じることがあります。進行すると嘔吐や知覚過敏、さらには不整脈などが現れ、ときには生命に危険が及ぶこともあります。
血液中のカリウム濃度を測定して、診断します。必要に応じて、心電図検査や腎機能検査、尿検査などが行われます。
治療は、原因によって異なります。
一般的には、食事から摂取するカリウムを制限する必要があります。カリウムは果物や野菜およびイモ類などに多く含まれるので、これらの摂取を減らします。
野菜はよく煮て煮汁を捨てることにより、カリウムを減らすことができます。
缶詰の果物は、生の果物に比べ、カリウムは少ないです。
スポーツドリンクや減塩醤油などにもカリウムが多く含まれていることがあるので注意しましょう。
カリウムの吸収を抑えたり、尿中への排泄を促したりする薬剤を投与することもあります。その場合も、カリウムの摂取制限を守りましょう。