
HIV感染症の診断のために行われる2段階の検査のうち、第1段階の検査です。
HIVスクリーニング検査は、診断漏れを防ぐように作られているため、感染していなくても陽性という結果が出ることがあります。このため、追加の検査で感染が本当か確認する必要があります。
HIV検査が陰性であっても、HIVや他の性感染症から自分を守るため、性交渉時にはコンドームを使用しましょう。
一度感染するとHIVを完全に体内から排出することはできません。しかし、今では効果的な治療薬もあり、適切な治療によってウイルスの増殖を抑え、健康的な生活をおくることが可能です。医療費補助制度や各種相談窓口も整っています。
一方、治療をしないと免疫力が低下し、感染から数年~10年程度を経て、免疫力が低下した人だけにみられる日和見感染が起こります。免疫力低下が基準に合致すればエイズ発症と診断されます。
よって、感染が確定した場合にすみやかに専門医に相談することには大きなメリットがあります。

HIVの感染が確定した場合、進行度を調べるため、現在の免疫能の指標となるCD4値とウイルス量を調べます。また、合併症の予防・治療準備のため、血液検査、尿検査、レントゲン検査などを行います。
早期に診断されれば、抗HIV療法を継続することにより良好な生命予後が期待できる疾患になっています。
HIVは、血液や精液、膣分泌物などを介して感染します。性行為、薬物乱用による注射器の使い回し、母子感染などが主な感染経路です。いずれの経路においても、感染者自身が適切な抗HIV療法を受けることで、他者への感染リスクを最小限に抑えることができます。
食器やお風呂の共用、握手など通常の社会生活では感染しません。パートナーを感染から守るためだけではなく、別の性感染症で自分の体調を崩さないためにも、感染経路を理解し、性行為の際は必ずコンドームを使用しましょう。