B型肝炎は、B型肝炎ウイルス(HBV)が血液や体液を介して感染して起きる病気です。思春期以降に感染して肝炎を起こすB型急性肝炎と、感染が持続するB型慢性肝炎があります。

B型急性肝炎の感染経路の多くは性的接触です。B型急性肝炎は、自然に治る場合が多いのですが、まれに重症化することがあります。また、遺伝子型AのB型肝炎ウイルス(HBV)では、10〜20%に慢性化がみられます。

B型慢性肝炎の場合の主な感染経路は、持続感染している母親から生まれた子どもへの母子感染です。ただし、ウイルスが感染しても必ずしも肝炎として発症するわけではありません。肝細胞がんや胃食道静脈瘤などの合併症を起こすことがあります。

HBs抗原の血液検査を行い、陽性であれば、HBVに感染していると考えられます。ただし、急性肝炎の早期にHBs抗原が陰性になることがあるので、陰性であってもB型急性肝炎は否定できません。HBs抗原が持続的に陽性となる場合は、B型慢性肝炎と診断されます。

B型慢性肝炎では、血液中のAST/ALT値、HBVのウイルス量を調べるHBV DNA、HBe抗原・HBe抗体を検査してどの病期にあるかを診ます。

急性肝炎の診療では、重症化や劇症化の予知が重要です。自覚症状が改善せず、肝臓が萎縮し、肝臓でつくられる血液凝固因子の指標であるプロトロンビン時間(PT)が延長したり、BUN(血中尿素窒素)値が低くなったりする場合は注意が必要です。

B型慢性肝炎の場合は、肝炎が落ち着いても年に1度の受診はして、ウイルスの活動性と肝発がんの確認をしましょう。