検診は、対策型検診(住民検診型検診)のように市区町村が主体となって行うものと、任意型検診(人間ドック型検診)のように個人で受けるものに大別されます。
一般に、対策型検診が集団の死亡率を減少させる目的で行うのに対し、任意型検診はそのメリット(利益)とデメリット(不利益)を個人が判断して行います。
検診のメリットとして、がんの早期発見、死亡率減少、がん以外の病変の発見、検査による安心などが挙げられます。
検診のデメリットとして、検査による副作用、精神的・肉体的苦痛、検査が陰性でも100%問題がないとは言い切れないこと、逆に陽性でも100%がんとは言い切れず、さらなる検査が必要なこと、必ずしも死亡率減少が証明されていないこと、時間や費用がかかることなどが挙げられます。
検診は無症状の人が受けるのが基本です。症状がある場合には、検診の検査項目では十分に診断できないことがあります。
検診を受けるのに推奨される年齢があり、青壮年期や老年期では十分な死亡率減少効果を示す検査項目が限られているので、注意が必要です。
対策型検診では一般に次のようにいわれています。
注)青壮年期、高齢者ではスクリーニングの推奨度が下がる場合があります。また、任意型検診を受ける際には医療者側からの適切な情報をもとに、メリットとデメリットのバランスや嗜好を考慮し、個人が判断・納得して受けることが前提なので、推奨度が上がる場合があります。