輸血製剤は、献血された血液をもとにつくられています。血液を介して伝播する感染症に対しては十分な安全対策がとられていますが、危険性をゼロにすることはできません。

輸血を数カ月にわたって頻繁に受けると、体内に鉄が過剰に蓄積される鉄過剰症を引き起こし、心臓や肝臓に障害を残すことがあります。

輸血の副作用で最も多いのが、じんま疹と発熱です。100本に1〜3回の頻度でみられます。それ以外はまれで、血圧低下や喘息などのアレルギー反応や、溶血は5,000本に1回、呼吸困難を引き起こす輸血関連急性肺障害は20万本に1回の割で発生します。

輸血後にB型肝炎やC型肝炎、エイズに感染する確率は1,000万本の1以下です。

血液検査で鉄過剰と診断されたときは鉄キレート薬を内服します。

輸血後、高熱が出たときや呼吸困難が生じたときは入院して治療を行います。

輸血を受けて3カ月くらいたったときに倦怠感や食欲低下があり、黄疸が出たときは速やかに受診しましょう。急性肝炎の疑いがあります。

輸血前の血液を冷凍保存をしておき、必要に応じて感染症検査に用いることができます。

輸血した日から約3カ月後、肝炎ウイルスおよびエイズウイルスの検査を任意で受けることができます。

輸血による副作用と診断されて入院治療したときには、国の給付金支給制度があります。