いわゆる「盲腸炎」のことです。普通、みぞおちの痛みから始まり、次第に右下腹部(おへその右斜め下)がズキズキと痛み始めます。時間がたつにつれて、食欲不振、吐き気、嘔吐、発熱などに見舞われます。

発症してから早めに手術を行った場合は、短時間で完全に回復します。しかし、虫垂が裂ける虫垂破裂や、虫垂にたまった膿がお腹の中にばらまかれる腹膜炎などの合併症がある場合は、再手術する必要があり、退院が遅れることがあります。

治療では、抗菌薬がまず使われます。場合によっては、手術が必要となることがあります。手術は通常、腰椎麻酔(腰部から針を刺し、背骨の中の脳脊髄液の中に麻酔薬を注射する方法)による開腹手術で行われます。近年は、全身麻酔をかけ、腹部を切らずに内視鏡カメラによってお腹の中をスクリーンに映し出し、それを見ながら手術する腹腔鏡手術も行われるようになりました。

診断は、腹部の触診(お腹を触っての診断)、採血、腹部超音波検査またはCT検査によって下されます。

特に小さい子どもや高齢者では、最初は症状が軽くても腹膜炎などを併発して症状が重くなる場合があります。急性虫垂炎が疑われる症状がある場合には、早めに受診してください。

初期の診察では急性虫垂炎と確実に診断できないことがあります。その場合は、医師の指示に従って、翌日必ず受診してください。ただし、症状が悪化した場合には、翌日まで待たずにすぐに受診してください。

普段の生活で気をつけてほしいこと
  • 消化のよいものを食べるように心がけましょう。なお、入院の場合はしばらく絶食になります。
  • 虫垂炎と診断されたら、激しい運動は厳禁です。医師の指示に従ってください。