性器ヘルペスは、単純ヘルペスウイルスの1型または2型の感染により引き起こされ、性器周辺に痛みを伴う水泡やただれが生じます。明らかな病変が見られず、排尿時や排便時の痛みが主な症状のこともあります。
一度感染すると生涯ウイルスは体内に残り、時折、再発します。再発は単純ヘルペスウイルス2型の場合に多く、9割近くが再発するといわれます(7~9割は1年以内に再発)。
症状は最初に発症したときが一番重く、再発では軽くなりますが、免疫力が落ちると再発でも重症化します。
治療をできるだけ早期に開始することで、治りを早めることができます。初発では7~10日ほどでよくなります。再発時も症状出現後、できるだけ早朝に内服を開始することで、症状出現期間の短縮が期待できます。
重症化すると、合併症を起こすことがあります。頭痛、首の痛み、下肢の筋力低下、会陰部や肛門周辺の感覚低下、排尿困難などがみられたら、すぐに医療機関を受診しましょう。
感染予防にはコンドームの使用がすすめられます。しかし、肛門周辺や大腿部にも感染することがあり、100%感染を予防できるわけではありません。
再発の前触れとして、会陰部の違和感、しびれ、刺すような痛み、かゆみなどがみられることがあります。このときできるだけ早く治療を開始することで、ただれや水疱の出現を防いだり、罹患期間を短縮することができます。
治療薬は抗ウイルス薬の投与ですが、一度感染するとウイルスは体内に残ります。再発頻度が多いときは、抗ウイルス薬を予防的に飲み続けて、再発を抑えることもできます。
治療中は性交渉を控えます。相手にも病気を伝えて、症状の出現はないかを確認します。自覚症状がなくても感染していることがあるので一緒に受診しましょう。
妊娠している場合、胎児に感染させて新生児ヘルペスを引き起こすことがあります。産婦人科医に相談しましょう。なお、妊娠後期の性交渉は、感染予防からも控えましょう。