巣状分節性糸球体硬化症は、大量のタンパク尿と浮腫が特徴のネフローゼ症候群の一つです。放置すると、末期腎不全に陥り、透析治療が必要になります。

ネフローゼ症候群の場合はステロイドという特効薬がありますが、巣状分節性糸球体硬化症はステロイドが効きにくいという特徴があります。

確定診断や重症度を調べるためには最終的に入院して腎生検を行います。これは背中から針を刺して腎臓の一部を採り、それを顕微鏡などで調べる検査法です。

治療法としては、ステロイドあるいは免疫抑制薬の投与です。スタート時は入院して加療します。いずれの場合もさまざまな副作用があるので、服薬方法を守ることが大事です。入院期間は1~3カ月に及ぶことがあります。

治経過中に自覚症状や身体の変化、あるいは検査値の異常などがみられた場合は、治療薬の用量や種類を変える必要が出てきます。担当医との連絡を密にしておきましょう。

浮腫が強いとき、胸水や腹水を伴うときは、その治療のために入院が必要になります。

普段の生活で気をつけてほしいこと
  • 塩分は1日食塩6g以下に抑えましょう。
  • 水分を1日1,000mLに制限しましょう。浮腫が強いときは500mL以下です。普段使用するコップ類の容量をあらかじめメスシリンダーなどで測っておくとよいでしょう。どのくらい水分を摂取したかが把握しやすくなります。
  • 毎日、起床し排尿したら、体重を測定します。これを記録し、浮腫の程度をチェックしましょう。