横紋筋は骨格を動かす筋肉です。横紋筋融解症は、筋肉の損傷に伴って、筋細胞内の有害な物資が血液中に流出する病気です。

原因は、事故やケガなどのほか、薬の副作用、過度の運動、菌やウイルス感染による影響などさまざまです。

症状としては体内のミネラルバランスの崩れがあげられ、痛みや麻痺、筋力の減退、赤褐色尿などが見られます。重症化すると、腎臓障害や呼吸障害が生じます。

腎臓障害が起きると重症化し、命に関わる可能性が30%を超えるといわれます。そのため、腎臓障害の予防と、腎臓障害を発症したときの治療が治療の中心になります。

治療では大量の水分補給をするための点滴を行います。体がむくみ、容貌も今までと変わることがあります。しかし、病気が治れば徐々に元通りの容貌に戻ります。

重症の場合は点滴を行っても尿が出ず、腎臓機能が悪化することがあります。その場合は、一時的に血液透析を行います。

腎機能の悪化が呼吸機能に影響をもたらし、人工呼吸器のサポートが必要になることもあります。

傷ついた筋肉が腫れ、内部圧力によって血管や神経の巡りを妨げると、しびれや痛みが強くなることがあります。この場合は筋肉の表面を切り開いて圧力を逃がす必要が出てきます。