①糖尿病合併妊娠は、糖尿病が妊娠前から存在している場合をいいます。妊娠時に発見される明らかな糖尿病は、妊娠前から糖尿病があったと考えられます。

②胎児の臓器形成は妊娠4週~7週末までのため、その時期に血糖が高いと胎児奇形を生じるリスクが高くなります。そのため、糖尿病患者では血糖コントロール良好な状態で妊娠する必要があるため、計画妊娠が重要です。

③妊娠中に正常値より高い血糖値が続くと、胎児の発育が過剰になりやすく、巨大児など母児合併症のリスクが高くなります。

④母児合併症を予防するために厳格な血糖コントロールが必要です。

⑤出産後も定期的に受診し、糖尿病の治療を受ける必要があります。

①妊娠中に合併症が悪化しやすいため、定期的に糖尿病網膜症については眼科専門医受診を、糖尿病腎症については尿検査や血液検査などで腎機能の評価を受ける必要があります。

②食事療法で目標血糖値を達成できなければ、速やかにインスリン療法を開始します。

普段の生活で気をつけてほしいこと

 ①「適正なカロリー量を摂取して下さい」

    妊娠中は、母体と胎児に適切な栄養を供給する必要があるので、極端な食事制限に注意して下さい。 また、妊娠しているからといって必要以上に食べ過ぎると血糖値が上昇するため、注意が必要です。

 ②「体重測定を行って下さい」

    定期的に体重を測定し、増減の程度に注意して下さい。

 ③「血糖自己測定、インスリン注射を忘れずに行って下さい」

    厳格な血糖コントロールが必要なため、血糖自己測定の結果を参考にしながら、インスリン量の調整を行います。必ず血糖自己測定を行って下さい。

 ④「糖尿病合併妊娠について、ご家族や職場の方に説明しておいて下さい」

    低血糖の対処法についても説明して下さい。

  • 必要以上の間食・偏食をしないように気をつけて下さい。
  • アルコール飲料、喫煙は避けて下さい。