アスペルギローマとは、肺の病気により肺構造が破壊されて空洞ができたところにアスペルギルスという真菌(カビの一種)が棲みついて球状の真菌の塊ができる病気です。
ほとんどの患者さんは、無症状で経過します。しかし、まれに真菌の病変が肺の太い血管まで及び、血管が破綻すると大出血を起こし、致命的な喀血を生じることがあるため注意が必要です。
喀血を引き起こしたり、その恐れがあるようなときは外科的に塊を切除します。しかし、肺の機能によっては手術ができない場合もあります。
無症状の場合は、経過を観察します。定期的健診では咳、喀痰、血痰などの症状をチェックし、胸部X線検査を行います。
経過観察中にアスペルギルスによる活動性の感染症(慢性進行性アスペルギルス症)を引き起こすことがあります。
もともと慢性の呼吸器の病気をもっているので、急性の上気道感染(いわゆる風邪)、インフルエンザ、肺炎の予防を徹底します。
喀血したら急いで受診しましょう。