慢性進行性肺アスペルギルス症(CPPA)は、アスペルギルスという真菌(カビ)が肺に吸入されて定着・増殖し、結果として肺の組織がゆっくりと破壊されていく病気です。

昔結核に罹患された方、肺気腫、間質性肺炎、気管支拡張症などの肺の病気がある方が罹りやすい病気です。また、ステロイド剤の内服、糖尿病などで免疫力が落ちている方にも起こりやすいと言われています。

症状としては、咳、痰、発熱、体重減少などがみられます。時に、痰に血が混じったり、血を吐いたりすることもあります。

一つ一つの検査の陽性率が高くないこと、似たような病像を呈する疾患が他にもたくさんあることなどから、この病気の診断をつけることは容易ではありません。血液検査、レントゲンやCT検査、喀痰の検査などの結果から総合的に診断することになります。

治療に関しては、アスペルギルスに効果のある抗真菌薬を使用します。治療期間は半年から数年に及ぶこともあります。

病状が安定して治療を終了できることもありますが、再燃がしばしばみられますので、定期的な通院が必要です。

喀血、血痰が見られる場合には、出血の原因となる血管を詰める治療(気管支動脈塞栓術)を行うこともあります。