クリプトコッカス肺炎は、カビの一種であるクリプトコッカスが引き起こす肺炎です。もとはハトの糞に多いカビで、人やイヌ、ネコなどが、このカビを吸い込んで感染します。しかし、人から人に感染する心配はありません。

免疫力や体力が低下した人がかかりやすく、ときに髄膜脳炎という重い病気を起こすことがあります。検査結果によっては髄液の検査を行います。

初期のころは症状がないことが多いのですが、髄膜脳炎を引き起こすと、頭痛、発熱、嘔吐からはじまり、やがて無気力、けいれん、記憶障害などがみられます。

採血検査で問題がない場合、症状が軽いなら抗真菌薬を内服します。やや症状が強いなら入院して点滴治療します。

髄膜脳炎がある場合には入院し、点滴治療を行い、症状が落ち着いたら内服に切りかえます。治りにくいので比較的長い入院生活になります。髄膜脳炎は治療をせずに悪化させると命にかかわる病気です。

外来治療中に症状が悪化するようなら、すぐに受診しましょう。

副作用と思われる胃腸の症状や皮膚の症状、その他の異常が見られるときは早めに受診しましょう。