精巣は、赤ちゃんが母体内にいる間に、ホルモンなどの働きで、腎臓付近から陰嚢に自然に下りてきます。しかし、生後3~6カ月たっても、まだ陰嚢内に下りない状態を停留精巣といいます。出生男児100人中、3人程度みられます。

停留精巣を放置していると精巣の機能が障害されることがあります。また、将来において、精巣腫瘍の危険性が正常な場合より上昇するといわれます。

ただし、似た病気に迷走精巣があります。入浴時や発熱時など体温が上がったときに陰嚢内に精巣が下りる場合は迷走精巣(移動性精巣)です。この場合は、手で引っ張って下ろすこともできます。

触診により精巣を陰嚢に下ろすことができない場合は停留睾丸と診断され、様子を見て4~5歳ころまでに、精巣固定術という手術を行います。

精巣固定術を行えば、もし精巣腫瘍が発生しても早期発見ができ、大事に至る可能性は低くなります。

手術は通常、入院にて行われます。ただし、施設によっては日帰り手術が可能な場合もあります。

移動性精巣の場合は症状にもよりますが、手術する場合もあります。