逆流性食道炎は、食道内に過剰に酸が発生し、酸に曝露されて生じる病気です。
典型的な症状は胸焼けと酸っぱい液が口にまで上がってくる呑酸(どんさん)です。
上部消化管内視鏡検査を受けた患者さんの10~15%に見られ、近年増加しています。
NERD(非びらん性胃食道逆流症)は食道粘膜の傷害を認めないものの、胃酸を中心とした胃から食道への逆流により胸やけを引き起こす病気です。
逆流性食道炎の食道粘膜傷害は胃酸を抑制することによって軽快します。第一選択薬のプロトンポンプ阻害薬(PPI)により、軽症の場合はほとんど治癒します。重症の場合でも80~85%は治ります。
NERDの場合も、PPIを内服することにより、約半数の患者さんの症状を改善します。残りの半数の患者さんは、胃酸以外の逆流として、食道運動異常症、好酸球性食道炎、精神心理学的要因などが考えられます。
薬が合わないときは再度受診して相談しましょう。
自己判断で薬を減らしたり中断したりしないように注意しましょう。