アミロイドーシスは、アミロイドと呼ばれる異常蛋白がさまざまな臓器に沈着して障害を起こす病気です。消化管に沈着したものが消化管アミロイドーシスです。

多くは透析や関節リウマチなどの合併症として起こりますが、まれに遺伝によるものや原因不明のものもあります。

主な症状は、心不全や腎不全のほか、下痢や便秘が起こり、栄養障害を招きます。

確立された治療法はなく、対症療法が中心となります。腸管に負担の少ない食事を取ることが大切です。

合併症として起きている場合は、基礎疾患の治療が何よりも重要です。

消化管アミロイドーシスは、診断が難しく、過敏性腸症候群と見過ごされることもあります。

検査は、上部消化管内視鏡を用いて十二指腸の粘膜を採取し顕微鏡で調べる生検が行われます。

治療は、消化管運動改善薬などの対症療法と基礎疾患に対する治療が中心になります。原因疾患によっては、肝移植などが検討されることもあります。

特に、関節リウマチや透析患者さんで下痢や便秘を繰り返すときは、消化器専門医に相談してください。

普段の生活で気をつけてほしいこと
  • 対症療法には、腸管に負担をかけない食事、腸管運動改善薬、経腸栄養剤などがあります。重症度に応じて1週間~3カ月ごとに再受診が必要です。
  • 下血や貧血が進行した場合、経口摂取が困難と判断された場合、高度の体重減少や栄養障害が進行した場合には、入院して、静脈に注射をして栄養を投与する経静脈栄養療法を受ける必要があります。
  • まれに敗血症や消化管に穴が開く穿孔、腸管梗塞などの合併症が生じる場合があります。激しい腹痛や嘔吐、高熱が出たときには緊急に受診してください。