消化管カルチノイドは、大腸がんや胃がんと違って、消化管の神経内分泌細胞の腫瘍です。

その腫瘍がつくるホルモンが破壊されずに体内に残ると、顔や首の紅潮、微熱感、下痢、息切れなどのカルチノイド症候群と呼ばれる症状が現れます。

カルチノイド症候群の症状が出ているときは尿中に排出される尿中5-HIAAという物質を測定して、カルチノイド症候群の診断確定ができます。その他、上下消化管内視鏡検査、腹部超音波検査、CT、MRIなどを行って、病変がどこにあるのかを調べます。

カルチノイドは、腫瘍が局所にとどまっている場合は進行が遅く、予後も良好といわれています。

治療は切除可能な場合は、入院のうえ、内視鏡または開腹して行う外科的手術により取り除きます。予後は良好です。

切除ができないときやカルチノイド症候群のときはサンドスタチンという薬液を注射して、症状緩和を行います。肝臓に転移しているときは動脈塞栓術(TAE)やラジオ波焼灼術により、転移巣を切除します。