感染性腸炎は、飲食物を摂取するときに、一緒に細菌やウイルスなどが腸管に入って引き起こされる腸炎で、主な症状は下痢です。食中毒の一つと考えられます。

原因となる病原体は、腸管出血性大腸菌、カンピロバクターなどの細菌、ノロウイルスなどのウイルス、赤痢アメーバなどの原虫などさまざまです。

腸管出血性大腸感染症(日本でもっとも多いのはO-157)は、病気を起こすベロ毒素やO-157抗原を免疫反応で検出し、さらに便からベロ毒素をつくりだす大腸菌が検出されると確定診断となります。

急に下痢が起こり、周囲にも同じような下痢の症状の人がいる場合には、感染性腸炎の可能性があります。

急な下痢や嘔吐が起きたときは、水分の摂取を心がけましょう。水分は、通常は水や茶、スポーツドリンクでよいですが、程度が激しいときは経口補液が適しています。

下痢や嘔吐が激しいとき、便に血が混じるとき、強い腹痛や高熱が出たときは病院を受診しましょう。症状に応じて点滴したり、抗菌薬を投与します。

下痢便に血液が混じるときは、重症化する可能性もあるので、入院して治療します。

飲んでいる薬が下痢の原因になることがあるので、受診するときは、服用中の薬を持参しましょう。

ほとんどの場合、数日から1週間くらいで軽快します。

原因となる病原体によって人から人へと伝染することがあります。看病するときは前後に必ず石鹸で手を洗いましょう。

食中毒の予防が感染性腸炎の予防です。鮮度のよいものを食べ、生肉(とくに生レバー)は避けましょう。