膵・胆管合流異常とは、膵管と胆管が十二指腸壁外で合流する先天性の形成異常をいいます。

膵液が胆道に逆流することによって、高率で胆のうがんや胆管がんが発生します。

確定診断には、多くの場合、ERCP(内視鏡的逆行性胆管膵管造影)が必要になります。ERCPでは膵炎などが偶然にみつかることもあり、検査は入院して行う必要があります。

膵・胆管合流異常と診断されたら、胆道がんの予防のために手術が必要になります。手術の方法は病型によって異なります。

先天性胆道拡張症では、分流手術(肝外胆管切除術と肝管空腸吻合術)が標準術式です。

胆管非拡張型膵・胆管合流異常では、合併する胆道がんのほとんどが胆のうがんであることから、胆のう摘出術のみを行う施設が多いようです。しかし、胆管がんの発生を危惧して分流手術を行うこともあります。

胆道がんを合併している場合は、胆道がんの進行度に準じた手術になります。

手術を行わない場合は、今後胆道がんの発生する可能性が高いので、定期的に慎重に経過観察をすることが大事です。