慢性膵炎とは、膵臓でつくられる消化酵素が活性化して、自分の膵臓をゆっくりと消化・破壊し、厚い線維組織に置き換えていく病気です。

最多の原因は大量飲酒ですが、原因がはっきりしないものもあります。

初期には強い腹痛の発作を繰り返します。進行すると、消化吸収不良による下痢や体重減少、糖尿病が起こります。場合によっては、膵臓に石ができたり、膵臓の管がいびつになったりすることがあります。

慢性膵炎になると膵がんになるリスクが7倍に増え、寿命も平均より10年ほど短いといわれます。

診断のために、エコー検査やCT、MRIなどで膵がんなど他の病気が隠れていないかを調べます。膵臓の消化の働きを調べるための検査や糖尿病の検査も行います。

腹痛を繰り返す時期には、鎮痛剤などで痛みをコントロールし、急性膵炎発作を予防します。アルコールが原因の場合は、断酒します。

病気が進行し、お腹が痛くならなくなったら膵臓の働きを助ける膵消化酵素薬を飲んだり、糖尿病の治療などをすることが治療の中心になります。

慢性膵炎に合併した糖尿病は、血糖値を下げるインシュリンのみならず、血糖値を上げるホルモンの分泌も障害されるので低血糖になりやすく、コントロールが難しいので入院が必要になります。

腹痛がひどい場合は、急性膵炎を起こしている可能性があります。速やかに受診してください。

普段の生活で気をつけてほしいこと
  • 腹痛を防ぐために、食事では脂肪を1日30g以下に制限します。
  • お酒だけでなく、たばこも控え、ストレスを軽減しましょう。