抗がん剤の副作用で、約60%が味覚障害を発症しています。

原因は、味覚細胞や神経がダメージを受けた場合や、口腔内合併症の口腔乾燥症や口腔粘膜の炎症が起きたことによります。

治療後の味覚の変化はさまざまで、治療前に好きだった食べ物が美味しくなく感じたり、味が薄く感じることも、逆に濃く感じることもあります。だしの味をつけるなど味付けを変えてみると違和感が減ることがあります。

副作用の予防や軽減には、抗がん剤治療に入る前に虫歯を治療し、プラークコントロールを行っておくことが有効です。

味覚を受容する細胞は1週間から10日くらいで生まれ変わります。したがって、抗がん剤の使用終了後、3~4週間で味覚は改善し、1年ほどで自然に治る可能性があります。

治療薬として、血清亜鉛値が低いときは亜鉛製剤を投与します。味覚細胞や神経に問題があるときは末梢神経治療薬のビタミンB12を投与します。

食事をおいしく感じないとき、食事量が減少して体重も減ってきたとき、食物の摂取が困難なときは、再受診しましょう。

普段の生活で気をつけてほしいこと
  • うがいや歯磨きを励行し、口腔内の清潔を保つようにしましょう。