掌蹠(しょうしょ)角化症とは、手のひらや足の裏の皮膚が過剰に肥厚し、硬くなる皮膚の疾患です。さまざまな病型があります。

多くは遺伝性の疾患で、生まれつきの皮膚の性質なので、患者さんは特に負担に感じてはいないようです。掌蹠の角化に伴う多汗や紅潮、白癬などで受診することが多いようです。治療の対象も、多汗や白癬となることが多いです。

ただし、手のひらや足の裏だけでなく、手足や体幹にも皮膚症状が及んだり、難聴や脱毛、歯周囲炎など他の臓器の症状を伴ったりする症候性の掌蹠角化症ということもあります。採血や皮膚組織の一部を採取して顕微鏡で調べる皮膚生検などで診断をつけます。

後天性の掌蹠角化症は、内臓の悪性腫瘍を併発していることがあるため、採血やCT検査などが必要です。この場合、血便や体重減少、リンパ節の腫れ、発熱、咳などの症状があれば報告しましょう。

掌蹠角化症は、多くの場合、現時点では根本的な治療法はありません。対症療法が中心になります。

日常生活では皮膚の清潔と保温を心がけ、二次感染を防ぐために、こまめに外用薬を塗りましょう。外用薬で効果が得られないときは内服薬を使用します。

運動や歩行に疼痛を伴うような過度の角質の肥厚は、はさみやメス、50%サリチル酸製剤、鶏眼治療用のグラインダーなどで機械的に除去します。

足白癬(水虫)を合併しやすいので、足に痒みが生じたときなどは受診時に相談しましょう。

患者さんよって、また同じ患者さんでも年齢や季節によって、効果がある外用薬が変化します。そのときにもっとも適した外用薬が選択されます。